夏を迎えるこの時期になってくると汗や臭いの相談が増えてきます。なかなか人には聞きにくい汗と臭いについて2回シリーズでお伝えします。
人にはなかなか聞きにくい汗と臭いの真実。
◉ワキガ・多汗症とは
一般にワキの下の汗が原因で体臭が気になる場合をワキガ、汗の量が多く服に汗染みが出来て困るという場合を多汗症と呼びます。しかし実際には両者が合併していることが多く、共にワキガと呼ばれることが多いです。またこれらは厚生省にも病気として認められていますので、手術費用は健康保険が使えます。
◉診断について
まず臭いが気になるのか、汗の量が気になるのか、それとも両方なのかを診断します。しかしそれには客観的な基準はなく、結局は本人の感じ方次第になります。
一般に欧米人は臭いが強く、欧米人を日本人と同じ基準で判断すると、約80%の人がワキガと診断されてしまうと言われている程です。しかし欧米ではワキガがあまり問題とされることはなく逆に体臭の少ない日本人の方がかえってワキガの症状を気にする傾向があります。
◉手術以外の方法
症状の軽い方や手術まではと思われる方には、臭いや汗を抑える制汗剤を当院で販売していますので、まずはそれを試していただきます。これは医療用制汗剤「パースピレックス」と言って、市販の制汗剤とは違い脇汗を止める効果が3~5日と長いのが特徴です。またワキのレーザー脱毛をすると、臭いに関してはある程度の改善が期待できますが、汗に関しては脱毛を行っても減りません。手術以外で一番効果的なのは「ミラドライ」という機器を使った治療。痛みもダウンタイムもほとんどなく、治療直後より効果を実感できると大変好評です。その他、「ボトックス注射」をすると約6ヶ月程度汗を抑えることができます。
次回は手術についてご紹介します。