保険診療の眼瞼下垂治療

眼瞼下垂_形成外科(保険診療)

当クリニックは“目”の美容形成の専門院として、美容医療の各学会やシンポジウムで独自の方法や治療成績の発表などを積極的に行っています。“目”はお顔のなかでも印象の8割を占めるといわれている最も重要な部位で、患者様のお悩みもやはり多く、種類も多岐に及びます。

まず、眼瞼下垂が保険診療の適用になるということを知ってください。読んで字のごとく、まぶたが垂れて、物が見えにくいという機能低下現象がおきているわけですから、当然健康保険が適用になります。診察をしていて、保険が効くということで驚かれる患者様が非常に多いので、まずはこのことを示させていただきます。


眼瞼下垂には、生まれながらのもの(先天性)と、後から下がってくるもの(後天性)があります。
先天性のものは、生まれつきまぶたを挙げる筋肉が働かなかったり、力が弱かったりするため、筋肉を短縮したり自分の筋膜や腱を使って、まぶたを挙げることが出来るようにしたりします。
後天性のものでは、長期のコンタクトレンズの使用や目をこする癖のある方に多い「腱膜性眼瞼下垂」と、加齢により上まぶたが覆いかぶさってくる「老人性眼瞼下垂」が多く、前者は目を閉じる筋肉の下に位置する腱膜を短縮あるいは縫縮し、後者は余った皮膚と筋肉を取り去ることで、ともにスッキリとしたまぶたになります。


先天性眼瞼下垂

生まれつきまぶたを挙げる筋肉が働かなかったりするため、まぶたを挙げることが出来ない。


老人性眼瞼下垂

両側性が多く高齢者に多く見られます。見た目は上まぶたが延長して大きく被さっています。


腱膜性眼瞼下垂

コンタクトレンズ長期使用や、パソコンなどの画面を長時間観る人などが原因で進行性です。



眼瞼下垂セルフチェック

先天性眼瞼下垂の特徴

眼球運動障害など眼瞼下垂以外の異常を伴わない、単純性眼瞼下垂が90%以上を占めます。
先天性は片側の眼瞼下垂が多く、ほとんどが眼球運動障害を伴いません。検査時、下方視の瞼裂幅は健眼よりも大きくなり、下まぶたが軽度に下垂します。先天性の単純眼瞼下垂のほかには動眼神経麻痺、眼瞼縮小症候群、Marcus Gunn現象などがあります。


治療

眼瞼挙筋短縮術、あるいは人工糸や自家組織(筋膜や腱)を用いて、上まぶたとおでこの筋肉(前頭筋)をつなぐ吊り上げ術を行います。


伸びてしまった腱膜を一度瞼板からはがし、一部分を切り取り、腱膜の長さを短くして瞼板に縫合することにより、まぶたをあげる手術です。


挙筋短縮術


まぶたをあげる筋肉(上眼瞼挙筋)の力が、かなり弱いか、全くない場合に適応になります。
まぶたの筋肉は動かないため、まぶたと、おでこの筋肉(前頭筋)の間に筋膜を移植し、おでこの筋肉の力でまぶたを上げるようにします。
筋膜は太ももから、腱は前腕から採取して行うことが多い手術です。


筋膜(または腱)移植による吊り上げ術


症例

先天性眼瞼下垂-症例


先天性眼瞼下垂-症例


先天性眼瞼下垂-症例


先天性眼瞼下垂-症例


リスク・副作用

内出血・腫れ・むくみ




後天性眼瞼下垂の特徴

主には老人性眼瞼下垂と腱膜性眼瞼下垂というものです。そのほかには重症筋無力症、Horner症候群、動眼神経麻痺、外傷性眼瞼下垂、腫瘍や異物による眼瞼下垂、眼輪筋ミオパチーなどがあります。


老人性眼瞼下垂

老人性眼瞼下垂は両側性がほとんどです。左右差が生じることがありますが、見た目には上まぶたが延長して大きく被さっていても、眼瞼挙筋機能は正常に保たれており、眼位・瞳孔・眼球運動に異常がありません。高齢者に多く見られ、コンタクトレンズ装用や外傷が原因でない状態を指します。


腱膜性眼瞼下垂

眼瞼下垂の状態

腱膜性眼瞼下垂は、コンタクトレンズ長期使用(10年以上で急増)の人、パソコンなどの画面をお仕事などで長時間観る時間が多い人、アレルギーなどで慢性的に目をこする頻度の高い人などが原因で進行性です。眼位・瞳孔・眼球運動に異常なく、ネオシネジンに反応します(中等度~高度では反応が鈍い場合があります)。まぶたをより挙げるために、前頭筋を収縮させ、眉毛を挙上するので結果としておでこにシワが寄り、上まつ毛と眉毛の幅が広くなります。その際に上まぶたの凹みが増強され、独特の表情を呈します。多くは両側性ですが発症時期に左右差が生じることがみられます。


コンタクトレンズによる発症

腱膜性眼瞼下垂の中でもコンタクトレンズの長期使用が原因と思われる方は年々増加しおり、世の中にコンタクトレンズが普及してきて10年以上後からの普及率と腱膜性眼瞼下垂の発症率は同じような増加グラフ曲線を描きます。とはいえコンタクトレンズは今や視力の悪い人にとっては不可欠なものであり、眼鏡に戻すというのもなかなか難しいのが現状です。
片側のみの場合が他の眼瞼下垂よりも少ないようですが、必ず両側に症状が同時に発現するとは限らず、予防的に同時に手術をする場合も時にあります。また、数年後、十数年後に再発ということも念頭に置かないといけません。


眼瞼下垂を発症しないための対策

出来るだけメガネを着用するようにしてコンタクト装着時間を減らし、結膜刺激を少なくする。
パソコン画面を見る時間を少なくする。
アレルギーなどの結膜症状が出たら、手で擦ったりせずに眼科を受診し、速やかに治すよう心がける。
などがあげられます。


治療

老人性眼瞼下垂は余った皮膚と筋肉を取り去ることで、ともにスッキリとしたまぶたになります。眉毛下で切除する場合と二重まぶた線(重瞼線)の上で切除する方法がありますが、皮膚の厚さや脂肪の量、切除量など複数の要因を考慮した上で適した方法をお勧めいたします。
腱膜性眼瞼下垂は目を閉じる筋肉の下に位置する腱膜を短縮あるいは縫縮する眼瞼挙筋前転術を行います。切開を皮膚側から行う経皮法と、結膜側から行う経結膜法とがあります。どちらにもメリット・デメリットがありますので、よくカウンセリングをして決定していきます。


● 上まぶた余剰組織切除術

まぶたをあげる筋肉(上眼瞼挙筋)は機能していますが、まぶたの皮膚のたるみが強く、下垂している場合に適応になります。たれ下がった余分な皮膚と皮下組織、眼輪筋、脂肪を切除します。
二重まぶたの線(重瞼線)に一致する部位にて切除するため、傷跡が目立ちにくいというメリットあります。
上まぶたの皮膚の薄い人や脂肪の少ない人など、腫れぼったくないまぶたの人に向いています。


上まぶた余剰組織切除術


● 眉毛下余剰組織切除法

眉毛下切開術は、上瞼(まぶた)を切開しないで、たるみを取る施術です。
眉毛の下のラインに沿って切開し、たるみを除去しますので、傷が目立ちません。
もともと上瞼(まぶた)が厚い方は、二重のラインで切開法を行うと、さらに厚ぼったさが増しますので、この施術が適しています。
非常に腫れが少ないのも眉毛切開術の特徴です。

この術式では縫合線、つまり眉毛の下の切開線が必ず残ることになります。
この傷跡を目立たなくすることが手術のポイントです。
眉毛下から離れた傷跡は目立ってしまうので、眉毛の下側の産毛の部位で切開し、なお且つメスを入れる角度を眉毛と平行にすることで、眉毛の毛根をできるだけ温存できます。
最終的に傷跡直上に眉毛が生えてくるようにすることが大切です。

通常、5~15mmの幅でたるみの程度に応じて紡錘形(ぼうすいけい)に切除します。
皮膚切除の際に、厚い皮下脂肪や眼輪筋を切除することになります。

手術後には、眉毛の位置は下がり、目と眉毛の距離は縮まります。
そのため目と眉毛のバランスを一番いいところにしたいため、眉毛下皮膚切除術の際に、前頭骨(額の骨)の骨膜に、眼輪筋を縫合・固定して眉毛の下降を防ぐ眉毛固定術を行うことがあります。

麻酔は局部麻酔で、手術は約40分~1時間。抜糸は通常術後5日目に行います。
上眼瞼除皺術と比較して、術後の腫れが非常に少ないことがメリットです。また抜糸後は眉毛の下の傷跡をアイブロウで隠せます。


眉毛下余剰組織切除法


腱膜性眼瞼下垂症は加齢や化粧・花粉症・コンタクトレンズの長期間使用などで、まぶたが擦れることにより、まぶたの板(瞼板)とまぶたを挙げる筋肉(上眼瞼挙筋)の間をつないでいる筋(腱膜)が、瞼板からはずれてゆるんでしまうことにより生じます。
この結果、まぶたを開けようとして上眼瞼挙筋が収縮しても、その力が十分に瞼板に伝わらなくなるため眼瞼下垂になります。

これを補うために、眼瞼挙筋に付随している筋肉(ミュラー筋)を収縮させてまぶたを開けます。
ミュラー筋が収縮するためには交感神経が緊張する必要があり、交感神経が常に緊張していると頭痛や肩こり、手足の冷え性、不眠などを生じることがあります。

グランクリニックでは、ゆるんではずれてしまった腱膜を瞼板にとめなおす「腱膜手術」を行っています。この手術は信州大学病院形成外科の松尾教授が広めた松尾式治療法とも呼ばれています。
「腱膜手術」を行うと、代償期の人では意識も努力もせずにまぶたが上がるようになり、頭痛・肩こり・疲労感が改善します。非代償期の人ではまぶたが瞳孔の上まで上がるようになります。
手術は局所麻酔で行い切開は重瞼線に一致するようにします。手術は約1時間で終了し、そのまま帰ることが出来ます。


腱膜性眼瞼下垂の治療(腱膜手術)


● 手術後の注意

1)手術後はできるだけ安静にして、患部を圧迫したり、擦ったりせずに、上まぶたを冷やしてください。
2)手術当日・翌日は縫合している創部を濡らさないようにして、抗生剤と鎮痛剤を内服してください。
3)手術後3日目から、シャワーで軽くお湯がかかったり、洗面やシャンプーなどでまぶたが少し濡れてしまっても心配はありませんが、石鹸で擦ったり押えたりする洗面はしないでください。
4)抜糸は手術5日後に行います。まぶたのメイクは抜糸以降に出来ますが、術後1か月は擦らなくても泡で浮かせて、流せば取れるくらいのメイクにしてください。
5)コンタクトレンズの使用は、術後約1か月は控えていただいております。


● 術後経過

皮下出血やまぶたの腫れは大変個人差があります。術後1週間程度でかなり腫れがひきますが、残り20~30パーセントの腫れはゆっくりと時間の経過とともに軽減します。

まぶたが少し痛かったり、閉じにくかったり、物が二重に見えたりという症状が一時的に出ることがありますが、大抵は徐々に治っていきます。ただし、症状が強い場合は、必ず医師に相談してください。
まぶたが原因の頭痛、肩こりなどの症状は改善することが多いのですが、そういった症状は他の原因で起こっていることも多くあります。
必ずなくなるというものではないということも頭に入れておきましょう。


● 合併症

腱膜手術の合併症はなんといっても、開瞼量や重瞼ラインの左右差です。
手術後抜糸までの間に顕著であればすぐに修正術を行う場合があります。
それ以降に目立つようになったものは術後3か月以降に修正術を行います。



症例

老人性眼瞼下垂_症例


老人性眼瞼下垂_症例


腱膜性眼瞼下垂_症例


腱膜性眼瞼下垂_症例


腱膜性眼瞼下垂_症例


腱膜性眼瞼下垂_症例


リスク・副作用

内出血・腫れ・むくみ


施術費用

内容価格
保険診療の場合3割負担で約55,000円
自由診療の場合両目 305,580円〜
※費用は税込表記となります。


眼瞼下垂治療のアフターケア

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