近年では、食生活の変化などにより、若年でのワキガ発症率が増えています。
ワキガや多汗症は適切な治療を受ければ治るので、悩み続けずに治療を受けることをお勧めします。
前回は、手術以外で臭いや汗を抑える方法をご紹介しました。
今回は手術治療についてご紹介します。
人にはなかなか聞きにくい汗と臭いの真実(パート2)
◉手術治療
一般的に行われる方法として、ワキのシワに沿って1本または2本の切開を入れ皮膚を反転し、アポクリン汗腺を直接見てハサミで切除していく「剪除法(せんじょほう)」と、比較的小さな切開から特殊な器具を用いて皮膚の裏側をかきだす「そうは法」、小さな切開から吸引器具または超音波メスを入れて吸い出す「吸引法」とがあります。
グランクリニックでは「そうは法」と「吸引法」はお勧めしていません。それらの手術法は短時間ですみ、手術を行う側は楽でいいのですが、内出血などの術後の合併症が多いのと、効果が不十分になりやすいからです。これらの方法も一旦皮膚と神経が離断するため、術後6ヶ月は臭いや汗が減りますが、その神経の回復と共にほとんど元通りになってしまうことが多いのです。
◉当院の剪除方法について
片ワキでも両ワキでも局所麻酔下に外科手術で行います。時間は両ワキだと約1時間です。局所麻酔を行った後、ワキのシワに沿って1本、約3~4センチの小さな切開をします。そこからワキの皮膚を反転して、毛根のある範囲よりも一回り広い範囲のアポクリン汗腺を切除します。
直接目で見ながら行いますので、他の手術法よりも完全に切り取ることが可能です。
術後数日間は、大きく腕をあげたり、動かしたりは避けてもらいます。約2週間後に抜糸を行います。
術後、女性の場合、ワキの毛はほとんどなくなります(男性の場合は少し残るようにします。)
グランクリニックで行う手術の中で最も得意にしている手術の一つです。
◉術後の注意点について
これが最も大切です!
術後、約2週間後抜糸をするまで、1日または2日おきに通院していただきます。
特に術後翌日には必ず来院して頂きます。その理由は、術後の最も大きな合併症である内出血が起きた場合に、手術直後ならば出血を止めて皮膚の壊死を免れ、回復させることが可能だからです。
昨今、指示を守らずに固定している包帯が取れかかった状態での受診や、テープを自分で取っている人が多く、当然合併症の発生率が高くなり治癒までの時間も長くかかります。そういった患者様のフォローは当院では致しかねますので、手術を希望される場合には必ず指示に従ってください。
さあ、汗や臭い対する不安を解消し、楽しい夏を過ごしましょう!