仕上げたい目元のご希望、
お悩みにあわせて最適な方法をご提案します。
目(上・下まぶた)に関する悩みは、最も多く寄せられるご相談のひとつです。顔の印象の8割を決めるともいわれる目のかたち。理想的な目・まぶたを目指すことで顔の印象は大きく変わり、自信も生まれます。また近年、眼精疲労や頭痛、肩こりなどの原因が「まぶた」にあると言われています。健康を保つためにもまぶたの治療が重要です。
この分野は私が形成外科医として最も力を入れている分野です。眼の形成外科は白内障や緑内障といった眼球の疾患以外を専門に治療する診療分野で、まぶたが下がっている眼瞼下垂、逆まつげ(眼瞼内反)、眼瞼外反、眼窩部の骨折や外傷、眼瞼痙攣、まぶたのできものなど保険診療となる疾患や、二重まぶた手術、まぶたの膨らみ除去、まぶたのシワ取り、目頭を切開して目を大きくする手術、眉毛・まつげの植毛といった美容目的の自費診療の治療が対象になります。
グランクリニックでは眼瞼下垂と二重まぶたの手術が全体の半分以上を占め、次に膨らみ・シワ取り、が多いように思います。女性も社会に出る機会が増え、昨今の美容ブームの後押しもあり美に対する治療のニーズが増してきました。その中でも目という部位は顔の印象を決める最も重要な部位であり、治療後の改善の喜びも大きいものとなるようです。また、片方のまぶたが開きにくいのを諦めている方が多いようで、日帰りの三十分程度の手術により何年も気にされていたことが良くなり「こんなことならもっと早く来ればよかった。」といっていただくケースも多々あります。
当院は施術にあたって大切にしているのは「バランス」です。他のパーツや輪郭とで構成される顔全体のなかで、バランスのとれた美しさを追求していきます。
(先天性、腱膜性など病的なもの)
眼瞼下垂は読んで字のごとく、まぶたが垂れて物が見えにくいという機能低下現象が起きている症状を言います。
眼瞼下垂は症状・状態によって健康保険による治療が可能になります。
眼瞼下垂は大きく先天性と後天性に分けられます。
●先天性眼瞼下垂
生まれつき瞼を挙げる筋肉が弱く、瞼を開けにく状態。
●後天性眼瞼下垂
皮膚と組織がかぶさって開きにくい「老人性眼瞼下垂」と、長期のコンタクトレンズ使用やアレルギーなどで慢性的に目をこする頻度の高いことなどが原因で挙筋腱膜がすべったり外れたりしてまぶたが開けにくくなる「腱膜性眼瞼下垂」に分けられます。
●先天性眼瞼下垂の治療法
▶︎ 眼瞼挙筋短縮術
伸びてしまった腱膜を一度瞼板からはがし、一部分を切り取り、腱膜の長さを短くして瞼板に縫合することにより、まぶたを挙げる手術です。
▶︎ 筋膜または腱移植による吊り上げ術
瞼を挙げる筋肉(上眼瞼挙筋)の力がかなり弱いか、全くない場合に適応になります。
瞼の筋肉は動かないため、瞼とおでこの筋肉(前頭筋)の間に筋膜を移植し、おでこの筋肉の力で瞼を挙げるようにします。
筋膜は太ももから腱は前腕から採取して行うことが多い手術です。
●老人性眼瞼下垂の治療法
▶︎ 腱膜固定法
皮膚側(通常は二重のライン)を切開して、眼の開き具合に合わせて余剰皮膚も切除できるために、たるみも同時に改善することができます。
●腱膜性眼瞼下垂の治療法
▶︎ 腱膜手術
緩んで外れてしまった腱膜を瞼板にとめなおす手術です。この手術は信州大学病院形成外科の松尾教授が広めた松尾式治療法とも呼ばれています。
眼瞼内反とは「逆さまつげ」と呼ばれています。逆さまつげと呼ばれるものの中には、本来の睫毛列以外の部分から生えてくる睫毛が眼球に当たってしまう睫毛乱生も含まれますので、内反とは区別します。先天性と老人性に分類され、いずれもまつ毛が眼球に当たるのは、上まぶたの場合、下まぶたの場合があります。
原因としては、瞼板というまつ毛周辺にある軟骨組織の周辺の組織が厚い、皮膚の緩みやタルミによってまつ毛が押されるといったことで生じます。
先天性は生まれつきの内反症です。成長につれて改善傾向がありますが、小学校高学年になっても治らず症状が強い場合には手術を考慮します。老人性は加齢に伴うまぶたの緊張低下および、眼輪筋の収縮が原因です。まつげを抜くと一時的に症状は改善しますが、まつげが生えると再発します。
問題はまつ毛(睫毛)が内反しているのかまぶた(眼瞼)が内反しているのかということです。睫毛の内反は瞼縁の向きは正常ですが睫毛が眼球に接しており、小児・若年者に多く見られます。一方、眼瞼の内反は眼瞼そのものが内反し、瞼縁・睫毛が眼球に接しており、高齢者に多く見られます。
治療は睫毛内反では瞼が腫れぼったい方に見られる瞼の皮膚が厚いことや、皮下組織の過剰によって内反を生じているので、程度によって埋没法、Hotz法、Jones変法を行います。眼瞼内反は内反具合によってJones変法、Wheeler法を用います。
眼瞼外反、すなわち下眼瞼の外反は加齢に伴う組織の弛緩によってあかんべをしているような状態をいいます。また第7脳神経麻痺、および外傷後・手術後の眼窩の変化により起こることもあります。症状は、鼻涙管が眼球に接触しなくなり、涙の排出が不良になっての流涙がみられ、表層角膜炎を伴うドライアイの症状があります。
治療は、下まぶたのまつ毛ギリギリを切開し、皮下の筋肉を外側に引き上げ、外反の程度が強い場合は、皮下組織を外側の骨膜という硬い組織に固定していきます。外傷・手術などが原因の瘢痕拘縮(引きつれ)による外反は、皮膚の欠損が原因のこともあるので、上まぶたの皮膚の一部を採皮し、植皮を行うこともあります。
両側の眼瞼下垂のほかに眼瞼が細くなるという形態を伴う先天性の症候群です。形態の特徴として
(1)眼の縦と横の長さが短い(瞼裂狭小)
(2)下眼瞼の内側の皮膚がたるんでせりあがっている(逆内眼角贅皮)
(3)下眼瞼が内側にめくれあがる(下眼瞼内反)があります。軽症から重症のものまであります。
治療としては、眼が離れている印象を改善するための内眼角形成術と眼瞼下垂に対する手術を行うことになります。状況により外眼角形成術や隆鼻術も考慮しています。当院では一度にすべての手術を行わず、段階的にステップを踏んで少しずつ治療に当たっていきます。
(皮膚弛緩による老人性のもの)
二重まぶた(切開法、部分切開法、埋没法)切開法:二重のかたちには大きく平行型と末広型の2種類があります。平行型は目頭の部分からすでに二重になっている形で、末広型は目頭の部分は一重で、目尻に行くに従って徐々に二重の幅が広がっていく形です。
雑誌や広告、インターネットの情報などで埋没法希望の患者様が圧倒的に多いのですが、目の美容形成を専門とする私の私見では、麻酔注射量を最低限とし、出血を極力少なくして正確に・丁寧に拡大鏡や顕微鏡下に切開法で形成した二重まぶたが美しく、取れる心配がないといえます。
マイクロ切開法:埋没法よりも取れにくく、切開もわずか2mm程度の方法です。切開はいやだけれど埋没法ではなかなかクセがつかないといった人に向いています。
埋没法:瞼の脂肪が少なく、皮膚の薄い人で余分な皮膚・たるみのない人に向いています。二重の線にあたる部分に片側1箇所に1mmほどの切開をして糸で留めます。この方法の欠点は留めた糸が外れることがあることです。二重のくせが取れて保証内だからと何度も埋没法を行っている患者様が時々おられますが、お勧めできません。
蒙古(もうこ)ひだは、目頭に張っている皮膚(一部眼輪筋も含まれます)で、日本人の約70%に先天的にみられます。程度はさまざまで、目頭側のピンク色の部分(涙湖)が隠れている場合には、目と目が離れて間延びした感じがします。『目と目が離れてみえる』『目が小さくみられる』『目がきつい感じがする』などの悩みが生じ、これを改善するには、目頭切開術(内眼角形成術)を行います。当院ではZ形成術、または内田法で行っています。Z形成術は蒙古ひだの形によって、微妙に違う様々なデザインが考えられます。蒙古ひだはその上下に引っ張られているテンションを解除すればシャープな内眼角が形成できるので最も多く行っています。
内田法は、国内で一般的に行われている方法です。きれいな仕上がりになることも多いのですが、ときに内眼角のシャープな感じが出にくく、皮膚を一部切除するため、余剰な皮膚が存在する場合に行っております。
目尻切開という瞼の目尻(外側)の端を切って広げて、目の幅を外側に向かって伸ばす手術です。垂れ目がちの方、目頭切開のみでは充分な幅が得られない方などが適応になり、目尻を数ミリ開けてより大きく横長の目元を作ります。目尻切開という瞼の目尻(外側)の端を切って広げて、目の幅を外側に向かって伸ばす手術です。垂れ目がちの方、目頭切開のみでは充分な幅が得られない方などが適応になり、目尻を数ミリ開けてより大きく横長の目元を作ります。
しかしながら、目尻の白目が隠れているところまでしか広げることが出来ないので隠れている白目が少ない方に目尻切開をしてもほとんど効果がありません。個人差が結構あり1~6mmほどのばらつきがあります(目尻の皮膚を外側に引っ張ってみると、白目が何㎜か隠れているのがわかります)。
また目尻は顔が円形にカーブしているので、正面から見たときに広げた幅だけ幅広に見えるわけではないことを充分理解していただく必要があります。
上まぶたが凹んでいると、年齢より老けて見えたり、疲れた印象を与えたりします。上眼瞼の陥凹がある場合、眼瞼下垂を伴う場合が非常に多く、その場合はまず眼瞼下垂の治療が優先されます。
下垂のない場合、又は下垂を治療しても陥凹の残存する場合は、自分の脂肪注入やヒアルロン酸の注入を行います。自分の脂肪の場合片眼に約0.5~1㏄程度の脂肪を注入することで、キズ跡なく治療することができますが生着するわけではなく、ダウンタイムが生じます。ヒアルロン酸の注入はほとんどダウンタイムはありませんが一定期間しか持続はしません。種類にもよりますが、約1~2年間とお考えください。
加齢や皮膚の伸展により上まぶたの皮膚が、二重(ふたえ)のラインに覆いかぶさってきて、タルミが生じてまぶたが三角形のように見える場合には行う手術です。当院では上記の要素を考慮し、上眼瞼除皺術、眉毛下皮膚切除術、マイクロ切開法による重瞼術を選択しております。またこの手術の適応になる患者様には加齢により挙筋腱膜が瞼板から外れていることも多く、その場合には腱膜前転術を併用することで眼の開きを開大して、よりいっそう美しさ、若々しさを強調したり、厚ぼったさの改善するために眼窩脂肪切除、隔膜前脂肪切除術を併用することも多くあります。
上眼瞼除皺術の皮膚切除ラインは、元来の重瞼ラインより通常1~2mm下方に新しい重瞼ラインを作り、中央から外側を中心に余剰皮膚・眼輪筋を一塊として切除しますが、凹みのある人などは眼輪筋を切除しないこともあります。
眉毛下皮膚切除術は上眼瞼の皮膚のたるみが多く、皮膚が厚ぼったい場合にこの手術が良い適応となります。それは、上眼瞼皮膚が元々厚ぼったい場合にも重瞼ライン上での切開法を行うと、さらに厚ぼったさが増してしまうためです。また、元々一重まぶたの方の場合には埋没法やマイクロ切開法よる重瞼術とこの術式を組み合わせることもあります。
目の周りの皮膚はとても薄くデリケートな部位。疲れや老化がお顔の中でも最も現れやすい部分です。下まぶたの皮膚がたるむと、そこに脂肪がたまってぷっくりと膨らみができてしまい、目の下に影ができるので老け込んだ印象になってしまいます。下まぶたが弛んだ、重い、くまが目立つといった方は、まず皮膚のたるみやしわが現れています。その理由として皮膚がもっとも薄く、弾性線維も細く、眼輪筋との間に皮下脂肪が存在しないなどが主なものです。
さらに眼窩という骨の眼球のソケット部分にある脂肪が、年齢とともに次第にヘルニア状にもれ出てきて膨らむことによって生じているバギーアイといった状態は眼輪筋、皮膚、さらに眼窩隔膜の張りが無くなったことにより生じます。下まぶたの悩みの多くはしわ、バギーアイ、さらにこれらの混在した状態が挙げられます。
当院では以下の3つの方法で下まぶたの治療を行います。
(1)皮弁法:皮膚のしわが主な悩みで、たるみがあまり目立たない場合に適応になります。
(2)筋皮弁法:しわだけでなく、眼輪筋のたるみが加わり下眼瞼のふくらみ(baggy eye)も目立つ場合に適応になります。眼輪筋のたるみは改善しますが、脂肪を切除することが多いので最近ではほとんどHamra法で行うことが多くなりました。
(3)ハムラ法:眼窩脂肪の突出(baggy eye)により下眼窩骨縁部が逆に窪んで(陥凹)目立つ(場合にはHamra法が適応になります。眼輪筋のたるみを解消し突出した眼窩脂肪を下方にずらして窪んで見える部位を膨らませて余剰皮膚を切除します。